YOKA 怒りの告発
アウトドア業界に限ったことではありませんが、ヒット商品やヒットサービスの影には二匹目のどじょうが常に身構えているもの。もちろん模倣されることは名誉なことである一方、時に死活問題にも発展する可能性を孕んでいます。
つい先日ハイランダーから発表された新作テントの発売予告に、わたしは非常にざわざわしたものを感じました。それはオリジナルと思われるロータスベル社のテントとあまりにも酷似していたから。
これは遂に一線を越えてしまったのではないかと思ったのです。

そんな折も折、Twitterで回ってきた情報に驚愕しました。
それは組み立て式ファニチャーで知られるYOKAのデザイナーさんによる告発動画。
詳細は動画をご覧いただくとして、トラブルの概要をかいつまんで説明すると、
- YOKAオリジナルの鉄板(YOKA GRIDDLE)のデザインをナチュラム(ハイラインダー)に模倣された(という主張)
- 違いはハンドル部分を肉抜きしてある箇所くらい
- しかも調べてみると、驚くべきことに同じ工場で製造されていた!
- 製造元に問い合わせると、当初はまったく同じものの製造を依頼されたが断った
- しかし先述のハンドル肉抜きを改良点とし、別物として製造を押し切られる
- よって製造元は被害者であると認識しており、責める気はない
- プロモーション手法に関しても、あたかもオリジナルであるかのように喧伝しており納得いかない
- ナチュラムには発売を取り下げるよう抗議し、一応の決着はついている
- が、怒りがおさまらないので動画にした
という感じです。
当サイトでも取り上げていました。

ナチュラム側の声明が発表されていない為フェアではないかもしれませんが、YOKAの要求に応じていることからおおむね事実であると考えて間違いないのでしょう。規模の大小に関わらず創作活動に関わったことのある方なら誰しもYOKAにシンパシーを感じるのではないでしょうか。
加えてこの問題が深刻なのはナチュラムの本業はネット販売を主軸とするプラットフォーマーであるという点。よってあらゆるアウトドアブランドの製品をナチュラムでは取り扱っており、それはYOKAも例外ではありません。
そんな取引先のプロダクトまでもしれっと盗用してしまう企業倫理とは一体、、、
無論、われわれユーザーがウッドロールテーブルを代表とする既存製品を格安で提供するハイランダーの姿勢を支持・評価してきたことも一方で忘れてはなりません。わたし自身もハイランダーのローコットを愛用していますが、低価格で高いクオリティを実現する生産力はお見事だと常々感じています。
パクリとインスパイアの境界線ゆるふわ問題
なぁんてナチュラムを糾弾して憂さ晴らししたいのではなく、ぶっちゃけ程度の差こそあれ模倣っていくらでもありますよね。最近だとピコグリルの模造品がAmazonに出回って物議を醸したりしていました。
YOKAの動画内でもデザイナーさんはこのような見解を述べられています。
- プロダクトに関するデザイン・アイデアの盗用・流用・類似は切磋琢磨するプロセスの中である程度は仕方ない
- 盗用されたと思われるプロダクトも散見されるが、改良や工夫の痕跡が見られるものは大目に見ている
例えばヘリノックスの発明品であるコンパクトチェアだってもう当たり前のようにコピーが店頭に並んでいます。(もちろんチェアの心臓であるフレームのクオリティには雲泥の差があるとしても)
よってこんなことを言い出したらキリがないんですが、今回のケースは同じ工場に作らせていたってところがちょっと悪質かなーといったところでしょうか。
我々エンドユーザーにはどこが後出しジャンケンしたのかなんて分かりませんからね。どちらも同じような製品だったらそりゃ安いほうや買いやすいショップで購入します。なので手塩に掛けて育てた作物をブルドーザーで根こそぎかっさらうような行為はもちっと慎んでいただき、より健全な競争原理が働くといいのになーと感じた次第。
今はあらゆる手段で内幕を暴露することができる環境が整っているので、大きな企業だからといって好き勝手していると手痛いしっぺ返しを喰らってしまうことが証明されてしまう事例として記憶に留めておきましょう。
最後となりましたが、わたしも愛用するYOKAのSOLO TABLEはとっても雰囲気が良いのでオススメです。今のところこの類似品は見たことありません。
ナチュラムも猛省したらノーサイド!
次いってみよう!



