噂のテントサウナを購入!
手元に届いたのが2020年2月下旬。ところが言うまでもなく、その頃から世間は、いや世界中がコロナ狂想曲による自粛ムードまっしぐら。ウイルス同様、目に見えない同調圧力によってなんだか気分が滅入ってしまい、ちょっとテントサウナどころではなくなってしまいました。
で、購入から約一カ月、そろそろ重い腰を上げねばなるまい、ということで行ってきました。
場所は岐阜県美濃市にある現存する中で日本最古の近代吊橋と言われる美濃橋の河原。
むろん長良川という天然の水風呂を満喫しようという魂胆です。
当日は微風程度で気温は18℃前後という絶好のサウナ日和。
このレビューではキャンパー&サウナーとしてのファーストインプレッションから本当にこれで「ととのえるのか?」という感覚的なものまでを詳細にまとめていきます。
Mobiba(モビバ)モバイルサウナ MB10A
わたしが購入したのはMobiba(モビバ)社のテントサウナ。
モビバのテントサウナと言えばバックパックに納まるサイズ感でお馴染みですが、その後継となるロウリュができるひと回り大きなタイプの「モバイルサウナMB10A」というものをチョイスしました。
やはりせっかくならロウリュも楽しみたいですからね。
輸入販売代理を手掛けているのは薪ストーブ販売が専門のファイアーサイド株式会社。
何かトラブった場合の問い合わせ先が国内にあるというのも安心です。
それでは早速開封していきましょう。
段ボール箱には気になる謎のメモ。
これが薪ストーブの本体。
全体的にシールが貼られているので、まずはそれを剥がします。
薪の投入口を開けるとパーツがおさまっていました。
赤い脚と組立て式の煙突が6本。
脚はネジ式となっているので取付に工具は不要。
試しに薪ストーブだけを組み立ててみました。
お次はテント本体。
大きめのバッグに入っています。
何やら手書きのタグのようなものが。
「おれが検品しといたから、安心して使ってくれよな!」みたいなことでしょうか。
バッグの中身一式がこちら。
- テントサウナ本体
- 本体を立ち上げる骨組みのポールが2本と出入口用の短いポール1本
- ガイロープ8本
- 自在金具9個
- ペグ数本(使っていないので数え忘れ)
他には説明書とリペアシートも
設営
一般的なテント設営と異なるのはポールをスリーブに通したりフックに吊り下げるのではなく、このようにジッパーで閉じて固定してやります。
煙突穴にマジックで固定されたカバー。
使用時は開けて紐でまとめておきます。
出入口は一か所のみ。半月状になっており、ポールを通して押戸のような使い勝手になっています。
出入りに要する時間を最小限に抑えることで室内の温度を下げない工夫なのでしょう。
扉の真ん中に見える黒い線はテントの側面(ビニール窓側)と繋がっている平ゴム。
軽く開け閉めすれば自動的に閉まるようになっているんですね。
よく考えられています。
幕本体はシングルウォール構造。
ちなみに設営はすべてひとりで行っています。(と言うかずっと一人です、、、)
一辺だけでもペグダウンしておくと急な風に煽られても安心だし、設営もしやすかったですね。
幕内からロールアップしてビニール窓を開放してみます。
これで外光と取り入れつつ、景色も楽しめるというわけですね。
テンションあがる!
これキャンプ用テントにも取り入れて欲しいかも。
薪ストーブをインストールしてみます。
手順は先に本体と2本の煙突を連結させ、残り4本の煙突を穴に入れてドッキング。
ストーブの上にサウナストーンを並べて。
いざ初体験!
使用可能な薪のサイズはホームセンター(バローの針葉樹とカーマの広葉樹)で購入したものが問題なく入りました。
着火剤を使ってファイアー!
この着火剤コスパ良いですよ。
試運転なしでテントにインストールしたので錆止めの煙が充満するかと思いきや、まったく問題なし。しかも着火直後から体感的にもぐんぐん温度が上昇しているのを感じます。
今回、温度計を用意していないので正確な温度は不明
考えられる理由はこれ。
普通はテント上部にあるベンチレーターがこの一か所だけしかないのです。
足元にある黒い小窓、これが唯一の空気窓。
サウナという10~15分程度で出入りすることが前提の使用方法だからこそ安全が担保されているわけで。公式の説明では使用時はロールアップして窓を開放するようにありますが、仕様変更したのかカバーがそもそもありません。
加えてこの長めのスカート。
これが風の吹込みを軽減してくれているわけですね。
一般的なテントのスカートと比べても明らかに長いのがお分かりいただけるでしょうか。
幕内に木製簡易ベンチとバケツ、柄杓をセッティング。
ビニール窓の内側にはポケットが。
薪ストーブ運転中でも地面の近くやテント生地の側はさほど熱くなかったので、ジップロックにスマホや鍵を入れて貴重品入れとしてもいいかも(その際は自己責任で)。
天井からは紐が2本垂れ下がっています。
結んで輪にし、一酸化炭素警報器や温度計、ランタンなどを吊り下げることが出来そう。
ただし、幕内で一番熱くなるスポットのはずなので運用はくれぐれも注意が必要かと。
では体験してみましょう。
早速セルフロウリュしてみたり。
いやぁ、良いわぁ。
窓から見える景色込みで最高。
川の水の冷たさを想像するだけで今からよだれが垂れそう。
普段通うサウナ(80~90℃)と比較するとややマイルドな暑さといったところでしょうか。
ただしこれは薪をくべる量なんかも関係するでしょうから、ある程度は好みの暑さに調整可能かと。
今回は3セットくらいで終える予定なので数時間で燃え尽きる適量としています。
ぐでんぐでんに茹でられて川に飛び込み、チェアでディープ・リラックス。
これを3セット繰り返し、非日常空間だからこそ得られる多幸感に満ちた「ととのい」にどっぷりと浸かるのでした。
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片付け方
使用後の薪ストーブ
高温状態のところに水をかけるのでたった一度の使用ですが歪みが生じています。
まあ、しょうがないですね。
ストーブの内部
キレイに燃え尽きています。
灰は火消し壺に入れて持ち帰り。
灰受けは引き出せるので処理も簡単。
ストーブ利用時はここを引き出して空気を取り込み、火力を調整できます。
煙突6本はストーブ本体にすべて収納できますが、こうしてひっくり返さないと上手くおさまりません。
赤い脚も分解して中に収納します。
あとはカバーをするだけ。
テント本体は設営時と逆の手順で解体していきます。
ケースにかなり余裕があるので、収納下手なわたしでもストレスフリー。
レジャー用テントはすべてこのくらい余裕あるケースにしてほしい。
あと熱を持ったサウナストーンですが、バケツに水をはってそこに放り込んでおけば片づけている間に冷めていました。
まとめ
初見でも設営からサウナ利用・撤収まで含め、要した時間はトータルでたった2時間半程度。
日頃からテント設営に慣れているというものありますが、構造が単純なので未経験者でもほとんど迷うことはないと思います。
最も警戒すべきはやはり風の存在。
予報で風速10m以上となっているなら潔く撤退したほうがいいでしょう。
テント生地は厚手のポリエステル素材なので雨には弱くないでしょうが、煙突を冷やす要因となるので排煙の逆流などに注意が必要。内部もきっと雨で水浸しになるはずなので、天候のご機嫌が一番のネックと言えそう。
今回、テント内に木製ベンチをセットしましたが、特になくてもいいんじゃないかと感じました。
組み合わせはこんな感じ
というのも、立っていたほうがより熱を感じられるし、収容人数も増やせますからね。
せいぜい10~15分程度なんで立ちっぱなしでもたいして苦痛ではありません。
座って4名、立って6名が最大キャパってところでしょうか。
それからイスの素材は木製じゃなくてもキャプスタの激安ホムセンチェアで十分かと。
ものすごく楽しい道具ですが、結構なお値段するのも事実。
テントとストーブ、サウナストーンなど諸々含めて16万円ほどかかりました。
勢いでポチっとするには抵抗を感じる価格ではあります。
自宅での保管・メンテナンスも含めてそれなりに手間もコストもかかる。
とは言え、こんなイベント感に溢れた面白いアウトドアギアは他に思いつきません。
既存のテントと薪ストーブでDIYすることも可能でしょうが、特殊なドアやベンチレーター、ビニール窓などテントサウナに特化した構造は簡単に真似出来ませんよね。
そうした意味でもやはり唯一無二の存在なのだと思います。
2020年現在、国内で入手しやすいテントサウナはこのMobiba製とアウトドアサウナ文化を牽引するSauna.Campさんが代理販売を手掛けるMORZH製、そして本場フィンランドのSAVOTTA製の3種類と言われています。
なかでもわたしが今回購入したMobiba製は楽天市場でも取り扱いがあるくらい手軽に入手できるので、入門用としては悪くないんじゃないかと。
この新しい文化をより多くの方に体験していただきたいので、週末にでもフリー・テントサウナ・イベントでも開催しようかな、と計画しています。
コロナ騒動が落ち着いたらぼちぼちやっていきましょう。
あと個人やグループのプライベートで利用されたい方もいらっしゃるでしょうから気軽にレンタルできる方法も考えてみます。ただしこれは有料とさせていただきますので、ご了承ください。
最初は直接手渡しできる東海地方限定かな?
詳細はまた後日。



