現代キャンプシーンにおけるケロシン(灯油)ランタンの役割
キャンプでの照明器具として、近年LEDランタンがメインストリームを席巻しているのは間違いありません。技術の飛躍的な進歩に伴い、光量はもちろん圧倒的な手軽さや火事の恐れがないこともあり、今後もそのシェアを拡大することは容易に予想されます。
他方、ガスランタンはまだしもケロシンランタンに関しては「照明器具」という本来の目的はとうにその役割を終えているのは今さら言うまでもありません。
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しかしながらキャンドルランタン同様、今もなお製造され続け愛されているのは電球やLEDにはない炎の暖かみがあるから。
この辛うじて言語化できる暖かみをLEDでも「ゆらぎモード」などと称して再現を試みたものも存在しますが、逆説的にそれが代替不可能なのものであることを証明しています。
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つまり現代キャンプシーンにおけるケロシンランタンの立ち位置とはあくまで雰囲気を楽しむもの、と言っていいでしょう。もちろん暗闇の中では灯りとして一定の効果を発揮しますが、必ずしもケロシンランタンに頼らなければならない場面というのは少ないと思われます。
DEITZ(デイツ)78
ECショップ「銀の舟」さんの表が分かりやすいのでお借りしますが、今回わたしが購入したのは表の下、左から2番目のデイツNo.78となります。
出典:銀の船
かつてはその左隣のフェア―ハンドランタンも所有していましたが手放してしまいました。
その理由は当初パラフィンオイルで運用していたものの、リーズナブルな灯油に燃料を切り替えたところ、ある程度覚悟していたとは言え煤汚れが酷く、毎回のメンテナンスに疲れてしまったから。
それでも今回ほぼ同じ構造のハリケーンランタンを再び手に入れたのは、アナログな製品ゆえに個体差も大きく影響するのではないか、という仮説を検証するため。
さっそく送られてきた商品を開封。
説明書と一緒に予備芯がおまけに付いてくるのが嬉しいですね。
黒い本体に金色のコントラストが上品と言えば上品、オラついていると言えばオラついているようにも見えます。
試しに本体の重量を測ってみると467gでした。
使い始めの儀式、芯を山なりにカット。これで炎のかたちを整えます。
改めて別日にめでたくキャンプデビュー
燃料はもちろん灯油。ランニングコストが安いのもそうですが、冬場に石油ストーブを使うので燃料が統一できるのもメリット。
夕方から試運転開始
ゆらゆらと黒い煙が立ち上りますが、順調な滑り出し
焚き火のない時間帯、ランタンの灯りがあるだけでなんだか贅沢なひと時を過ごせているのような気分に浸れます。
すっかり陽も暮れて、、、
常夜灯として長時間稼働させてみましたが、10時間以上点灯しっぱなしでもまだ燃料には余裕がありました。
終盤はやはりホヤの中が黒く煤で汚れましたが、水ですすぐと簡単に落とすことができましたね。
まとめ
3,000円前後で手に入るオイルランタンとしては唯一無二の存在感をしめすDEITZのNo.78
小振りなので積載を圧迫しないのもメリットでしょうか。
煤汚れのメンテナンスが面倒なら少々ランニングコストはかさみますが、精製されたパラフィンオイルがおすすめ。
手軽にキャンプの気分を盛り上げてくれるアイテムとしては焚き火の次に気分があがるものだと思います。それに焚き火だとどうしても煙の臭いが髪や衣服にまとわりつきますが、それが嫌な方にはうってつけ。
薪がはぜてテントやタープに穴をあけるなんて心配もありませんしね。
「1/fゆらぎ」と言われるリラックス効果は十分得られます。
ただし、稼働中は本体上部を直接触ると火傷しますので、そこだけは注意が必要。
個体差の出来不出来に関してはもう少し検証を重ねてみたいと思いますが、今のところ満足な結果となっています。