パップフーテント2
軍幕、とりわけUSパップテントの意匠を取り入れたレジャー仕様の民生テント。ガレージブランドでしか取扱いのなかったこのジャンルに大手ブランドとして先鞭をつけたのがDODでした。
初代パップフーテント
出典:DOD
その後、テンマクデザインからも似たコンセプトの炎幕が登場し、遂に2019年ダークホース・バンドックからほぼ原型をトレースしたソロベースが発売されたのは記憶に新しいところ。

ソロキャンプなる文化もいよいよ浸透しはじめた昨今、満を持してあのパップフーテントが帰ってきました。では初代と比較して二代目がどのように生まれ変わったのかチェックして参りましょう。
タープスペース
まず一目見てはっきりと認識できるのが前室の張り出し、タープの形状の違い。
パップフーテント2のタープスペースは雨風の吹込みを軽減できるようサイドが拡張されています。
出典:DOD
ちょうど本家パップテントを跳ね上げた状態、いわゆるパッカーン仕様に似ているような。
これによって使い勝手のみならず、全体のデザインとしても向上したように感じられます。
カラー
初代はタンとブラックの2色でしたが、今回はタンとカーキ。
そもそもパップテントがルーツなのに、なんで初代にカーキがなかったのか、今ではそちらのほうが不思議。これは妥当な変更点といっていいでしょう。
出典:DOD
ロゴマーク
気になるのは主張が強めだったあのうさちゃんロゴの存在。
ブランドの矜持としてロゴを前面に打ち出したい心理は理解できるものの、パップテントという泥臭いテイストとキュートなうさちゃんロゴはあまりにもミスマッチでした。意欲的なテントの登場に魅力を感じつつも、このロゴの存在にジレンマを抱えていた方も多いのではないでしょうか。
こちらは初代パップフーテント
出典:DOD
それではパップフーテント2ではそれがどうなったか、、、
出典:DOD
おおぅ、、、シンプル。
特にカーキに黒文字だとほとんど目立ちませんね。
もうDODの無骨系ギアのロゴはすべてこれでいいんじゃないでしょうか。
この仕様変更も大きな加点ポイント。
初代から継承している機能
フロアレスながら前面の出入口及び背面の一部がメッシュ構造となっているので蚊帳代わりに。
また特殊フロアレス構造と呼ばれる仕様となっており、寝室部分の内周にだけフロア生地が取り付けられています。
これによって風の吹込みや虫の侵入を軽減してくれるのだとか。
出典:DOD
広いタープスペースを張り出した状態でもフルクローズできる特殊ドア構造。ですので就寝時にわざわざタープを仕舞う必要がありません。
出典:DOD
バンドック・ソロベースとの比較
ではわたしの一押しバンドックのソロベースと比較してどうなのかを解説してみましょう。
まず居住性という意味ではDODパップフーテントに軍配があがります。
出典:DOD
というのも、ソロべースは幕の高さが約100cmしかなく、例えローチェアだったとしても張り出したタープ(ひさし)に頭が付いてしまうのです。
よって焚き火をしながらテントを背にしようと思うと、どうしたって地べたスタイルを強いられる。これが腰痛持ちにはなかなかキツイ。
加えて雨天時は別途タープを設営しないかぎり、テント単体で過ごすことは苦行と言っていいでしょう。ですから腰に爆弾を抱えている方には問答無用でパップフーテント2+ローチェアスタイルをおすすめしておきます。
他方、価格面ではソロベースの圧勝かと。
どちらも幕素材には火の粉に強いポリコットンを採用しているわけですが、バンドックの価格設定はにわかには信じがたいもの。
まとめ
タープスペースの拡張、カラー及びロゴの変更など、初代のエッセンスを残しつつ、見事なマイナーチェンジを果たしたパップフーテント2。
個人的には加点ポイントしかなく、非常に魅力的なテントに生まれ変わったと感じています。

本物の軍幕を除けばコットン製あるいはポリコットン製のソロ用ツインポールシェルターという括り方をした場合、現在(2019年12月)入手しやすいのはテンマクデザインの炎幕、バンドックのソロベース、そしてDODのパップフーテント2の3種類のみ。(ほかにもあればご指摘ください)
これらの幕に共通する目的は焚き火と居住空間の一体感。
あとはデザインの好みとご予算の問題だけと言っていいでしょう。
出典:DOD
軍幕に魅せられたソロキャンパーは、真の自由を求めてさまよう週末だけの十字軍。このテントを手に入れたらするべきことはただひとつ、進軍あるのみ!(あ、キャンプ行こうぜってだけの話です)




