アイキャッチ出典:MSR日本公式Instagram
マットレス界の王者が仕掛ける
アウトドアシーンにおけるマットレス界の王者と言えばやはりサーマレスト。シチュエーションを問わず、あのシルバーとイエローのマットは世界中で愛されています。
わたしも愛用者のひとり。そしてなにかの動物にかじられた傷跡。
無論、それは性能が良いからに他ならず、価格もそれに見合わぬリーズナブルさだと言えましょう。一般的にマットレスに要求されるものは寝心地の良さと忍び寄る冷気の遮断。それを高次元かつコスパに優れた価格で提供してくれるのがサーマレスのマット、とりわけZライトなわけです。
そんな「眠りのエキスパート」であるサーマレストから待望のハイスペックシュラフが発売されることが先日発表されましたのでチェックしてまいりましょう。
ポーラーレンジャー -30℃
まずはいきなりですが厳冬期用と呼ばれる国内メーカーのダウンシュラフと比較してみましょう。
メーカー | モンベル | ナンガ | サーマレスト |
商品名 | ダウンハガー900 | UDD BAG 1000DX | ポーラーレンジャー |
快適温度 | -4℃ | -9℃ | -20℃ |
下限温度 | -10℃ | -16℃ | -30℃ |
重量 | 850g | 1450g | 1470g |
定価(税抜) | ¥70,200 | ¥70,000 | ¥94,000 |
モンベルとナンガの温度表記はヨーロピアン・ノームと呼ばれる統一規格に基づいたものですが、サーマレストに関しては現時点でそうした情報がないために不明。あくまで公式から発表された数値となっています。
UDD BAGとポーラーレンジャーのダウン量は共に約1000gなわけですが、なぜここまで温度表記が異なるのでしょうか。その秘密と思われる情報が販売代理店であるモチヅキの公式Twitterにありました。
まずはこの独特なシュノーケルフードと呼ばれる顔周りの構造。
独特な見た目のシュノーケルフードは、極寒のテント内でも寝袋内部の温度をロスすることなく快適に呼吸する事ができ、この部分のみ化繊を封入する事で呼気による凍結にも対策しています。 pic.twitter.com/4ALBjOqM5w
— MSR日本総代理店モチヅキ (@mot59240971) January 29, 2020
わたしはほぼ毎日シュラフで仮眠するのでよぉく分かるのですが、いかに顔及び首回りの冷気をシャットアウトするかが快眠の鍵になるんですよね。通常ドローコードで調整するわけですが、保温に特化したこの構造は発明と言っていいでしょう。
そして第二、いや第一といってもいい快眠の鍵、それが足先の冷え。わたしの場合、ダウンシューズを履いて冷え対策をしていますが、不要になるならそれに越したことはありません。
足元には、足の冷えを防ぐToe-asis™ Foot Warmer Pocketが内部についており、足が冷たくて眠れないという事を防ぎます。 pic.twitter.com/zMVtQnjHj1
— MSR日本総代理店モチヅキ (@mot59240971) January 29, 2020
温度調整のためにもうけられた両サイドのジッパー。これがベンチレーションかつシュラフに潜ったまま手が自由になるというのだから引きこもりキャンパーには朗報です。着る寝袋なんて商品は以前からありますが、ガチなアウトドアでの利用にはスペック的に不十分でした。しかしポーラーレンジャーならそれも夢ではありません。むしろ日本のキャンプシーンではオーバースペックなほど。
両サイドについたサイドベンンチレーターは温度の調節を可能にし、そこから両手を出せば極寒の地でも寝袋に入ったままで作業ができます。
Photo:James Barkman pic.twitter.com/xjkMFogxtl— MSR日本総代理店モチヅキ (@mot59240971) January 29, 2020
実際の極地冒険でも利用されている、ということなので性能に関しては折り紙つき。お値段こそなかなかしますが、スペックを考えたらかなりコスパ良好ではないでしょうか。厳冬期のハンモック泊、タープ泊を好む物好きな方のお供にも頼もしい、いや頼もし過ぎる相棒となってくれるでしょう。
発売時期は2020年4月頃を予定



