無料キャンプ場が消える!大野アルプスランドの閉鎖問題から考える

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兵庫県猪名川町の自然体験施設「大野アルプスランド」(同町柏原)にあるキャンプ場で、利用者のごみの放置などが深刻化しているため、町などは1月1日からキャンプ場を当面閉鎖する。管理人が常駐せず、無償で予約も不要と、自由な利用環境が魅力だったが、今後は有料化も含めて検討する。再開のめどは立っていないという。

猪名川町の公式声明

大野アルプスランド内のキャンプ場について、これまで利用料無料・予約不要で皆さまにご利用いただいておりましたが、一部の身勝手な利用者により、ゴミの放置や路上駐車、芝生への直火、電柵の破壊等、迷惑行為が後を絶たず、管理者の負担が増大しています。

これまで、看板等で注意を呼びかけてまいりましたが、改善が見られないため、平成31年1月1日より当面の間、キャンプ場を閉鎖することとなりました。再開する際はホームページでお知らせしますが、それまではキャンプ・バーベキュー等での利用は一切禁止します。ご理解いただきますようお願いいたします。

 

無料と無法

近年のキャンプブームの陰にこうした暗い話題があることは、後年まで広く周知されたほうがいいでしょう。サッカーの国際試合では観戦後のゴミ拾いが日本人特有の美学のように持ち上げられたりしますが、自分の庭ではこの体たらくだということは残念ながら現実として受け止めなければなりません。

https://twitter.com/crescent627/status/1009076020048158720

今回のキャンプ場に限らず、イベントの度にゴミ放置問題が浮上しては泡のように消えていきます。

根本的な解決への道筋は個々人のモラル・マナーの向上を啓蒙する以外ない、という身も蓋もない結論となってしまうのですが、有料化というオプションもこれからは考えていく必要があるでしょう。施設の利用が無料である、ということと何もかも自由である、ある種の無法地帯であるということを混同してしまう人が一定数いる、という壮大な社会実験の結果だったとも考えられます。

 

無料キャンプ場の特徴

無料でキャンプ場を利用できるということは、図書館や公民館などと同様に地方の税金によって賄われているわけです。ところが地域住民の生活に根差した図書館や公民館などと違って、キャンプ場利用者の多くは地元住民以外の方が多いはずです。(これは明確なデータがあるわけでなく、私個人の推測によるものです)

ですので、地元住民の税金で運営されている無料施設で県外からの利用者がゴミを放置して、その処理まで税金で賄うという構図が成立すると思うのです。

私が猪名川町の住民だったらはっきり言って嫌ですね、これは。

 

新しいビジネスチャンスかもしれない

もう少し前向きに考えると、これはゴミを捨てたいという一定のニーズがあるわけですから、ゴミの回収を有料化するというのはどうでしょうか。一泊の利用料だって500~1000円程度だったら惜しみなく払ってくれると思うのですが。

管理も常駐でなく、水回りの清掃を兼ねて日に何度か見回って目を光らせておく程度でもいいでしょう。※割れ窓理論を踏まえてもある程度の管理下に置くというのは重要だと思います。

※割れ窓理論

軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。

Wikipedia

 

ゴミ放置とビギナーの増加は別問題

この二つははっきと分けて考えなければなりません。ゴミの放置はキャンプビギナーだからしてしまうのではなく、単に一部のモラル意識が低い方が行っている行為ですし、そもそも犯罪です。

 

最後に新日本プロレスを再び蘇らせたブシロードの元社長の金言を引用させていただき、終わりにしたいと思います。

すべてのジャンルはマニアが潰す

補足しておくと、ある特定のジャンル、今回の場合はキャンプを愛するがあまり、ビギナーをニワカと一括りにして排除するのはジャンルそのものを衰退させる要因に成り得る、という意味。

今件にからめて初心者キャンパーを排除するようなムードにだけはなってほしくないな、と個人的に思うのでした。

 

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Dr.nero

現役会社員の傍ら、登山とキャンプとサウナを満喫するアウトドアニュース配信者。too machな情報をサクッと軽めの記事に調理してお届けします。

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