いざ下呂へ!
国内屈指の温泉街として知られる岐阜県下呂市。
エリア内にいくつかキャンプ場は点在するもののソロ向きのキャンプ場となるとなかなかその選択肢も狭まります。ファミリーならいざ知らず、ひとりで一泊5,000円オーバーとなるとちょっと、、、
そもそもソロキャンプという概念が浸透し始めたのが最近のことなので、この先徐々にソロ料金設定が増えると嬉しいですね。でもキャンプ場側としては単価の低い客なので、平日限定としているところも多いのが現状。
さて、そんなわがままなソロキャンパーが向かったのは岐阜県下呂市の中川原キャンプ場。こちら予約不要で車乗り入れ可、林間、川沿い、自動車ソロで2,300円、ゴミ捨てもOKという好条件の揃ったキャンプ場なのです。
三連休の初日ではありますが、予約できないからこそチャンスあり、と予想をした次第。
と、その前に下呂市内のスーパーで食材と薪を調達。
そして腹ごしらえに年季の入った食堂へ飛び込みます。
こちら「大安食堂」の名物は郷土料理「鶏ちゃん(けいちゃん)」と「豚ちゃん(とんちゃん)」とんちゃんと言うと、いわゆる「こてっちゃん」のようなホルモン炒めを想像しますが、ここでは豚バラや切り落としなんかをキャベツと炒めたものが提供されます。
それを卓上コンロで再加熱して。
一人暮らしだとフライパンで炒め物したら皿に移さずそのまま食べますよね、あんな感じ。しかもそのフライパンの年季もまあすごい。形状もまるでジンギスカン鍋のように中心部が盛り上がっているのが特徴。
ここに皆さん追加でうどんや焼きそばをトッピングされるようですね。初見のわたしも恐る恐る真似して。
濃いめの味付けなのでこれをおかずにご飯をわしわしかっこむというわけです。
しかもなんとご飯おかわり無料。めくるめく炭水化物感謝祭。
長年、地元ブルーカラーの胃袋を満足させてきた歴史ある味とボリュームにノックアウトされたのでした。
ゲロゲロッ!マンモスかなP!
降ったり止んだりを繰り返す雨の中、ようやくたどり着いたと思いきや、、、
茫然自失、通せんぼするフェンスの前で傘もささずに立ち尽くしていました、、、
いやぁ、台風は確かに来てるけどまだ遠いけどなぁ、、、
それに直撃ルートでもないし、、、
などと嘆いても事態は好転しません。

OK,Google 近くのキャンプ場を教えて
スマホ時代万歳。便利な機械があったものです。
これが昭和ならタウンページを必死にめくっていたでしょうからね。
くよくよしたって仕方がない、次行ってみよう!
標高600mから1800mへ
そこから更に曲がりくねった山道をずんずんのぼり続け、幻想的な霧の中を走り続けます。目指したのは御嶽山の麓に位置する「胡桃島キャンプ場」
ここは標高1800mの山中にあるので下界とは別世界。
車内の気温計はすでに13℃を表示しています。
事前に電話にてサイトの空きを確認していたので受付はスムーズ。
ひとりなら2,900円で利用できます。
今のところこちらに台風の影響はなさそうだと教えていただきました。
コテージ群を抜け、かなり進んだ森の奥にキャンプサイトが現れます。
ここはサイト毎にウッドデッキが設置してあるので大型ツールームや非自立型のテントはちょっと厳しいかもしれません。
しかも雨でヌルヌルになっており、わたしは見事にすっ転びました。
目撃者がいなかったのがせめてもの救い。
雨に打たれ続けながら、なんとか設営完了。
今日の宿はジェネリック・パップことバンドックのソロベース初おろし。
張り出した庇にたまる雨水を逃がすために片側をやや下げ気味に。
すると居住性がかなり損なわれます。
これはちょっとキャンプを楽しめないぞ、と判断しDDタープを追加設営。
うむ、これなら雨も気にならない。
薄暗いのでDEITZに火を灯すと、しばらく何もする気にならず、じっとタープを叩く雨音に耳をすませます。
ですがさすがに標高1800m、動かないとやはり寒い。
ここは焚き火で暖をとりましょう。
お盆時期にあまった「たいまつ」何故か母にキャンプで使えと押し付けられたので。
着火成功。
焚き火台の周囲に敷き詰めてあるのはサイト脇に投げ捨てられていた使いかけの薪。
きっちり乾燥させて燃やしてあげますね。
でも薪が使いきれないことって確かにありますよね。
余らせて持って帰るのもなぁって時。
例えば灰捨て場の横に余った薪コーナーみたいなの設置したら帰る人、これからキャンプする人にとってwin-winじゃないかなぁと思ったり。
そしたら今度は体の内側からポカポカしたいなぁ。
まあ、こうなりますよね。
ボリューム満点のランチだったので、まだお腹が空いてきません。
一旦寝て、宴はまた改めて。
サンマのはらわた
午後10時、もそもそと這い出して二次会のはじまり。
こんな時間だけど
少し離れたファミリー?グループ?すごく盛り上がってるなぁ。
わたしはあんまり嬌声は気にならないタイプ。
まあ、でも程度にもよるかな。
それよりも大きなボリュームの音楽が苦痛ですね。
いつだったか、飯地高原でのキャンプはえらい目にあったなぁ。
あれ以来、山下達郎がちょっと苦手になったくらい。
さあて、ではお楽しみのサンマをいただきましょうかね。
今年もどうやら不漁だそうで。
解凍もの、2尾で298円、それでもまあ安いですわね。
7年前に亡くなった親父はサンマのはらわたが好きでしてね、なんでも苦みがウマいのだそうで。煮魚の目の周りのゼラチンとかも喜んで食べてたなぁ。
「ここが一番うまいんだ」なんつって。
他方、まったく駄目ですね、わたしは。
まだまだヒヨッコ、人生若葉マークでございます。
この頃になるとようやく雨も止んできたようで。
あとはもう炎の揺らめきと薪のはぜる音をアテにちびちびと黒霧島のお湯割りを傾けるのでした。鹿児島出身の親父は下戸。なんでこうも嗜好が違うのか、、、
これは若い頃、航空自衛隊で整備を担当していた親父のノート。
全ページに細かい文字と図がびっしり書き込んでありますが、当然わたしにはさっぱり理解できません。こういう几帳面なところもわたしとは正反対。
キャンプだって両親に連れられて行ったことなんて一度もありませんからね。
よく自分でこの趣味にたどり着いたものだと思います。
ビッグ・カフナ・バーガー
近所のイオンモールで遭遇したあいみょんと握手してもらった夢から目を覚ますと、時刻はまだ午前5時。ようやく腹が減ってきた感覚があるので火をおこし直し、クッキング・スターティン!(りんごちゃんⒸ)
クエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」が公開されたのが1994年。
浴びるように映画を観ていた多感な時期、大変な衝撃を受けたものです。
「トゥルー・ロマンス」や「ナチュラル・ボーン・キラーズ」の脚本家、あるいは「レザボア・ドッグス」の監督としてタランティーノの存在を認識してはいたものの、「パルプ・フィクション」はまた別次元の面白さだったと記憶しています。
そんな映画の序盤、サミュエル・L・ジャクソン演じるジュールスが押し入った部屋で、チンピラたちが食べていたのがビッグ・カフナ・バーガー。それをジュールスが「栄養満点の朝飯じゃねぇか。ちょっと一口いいかな?」なんつって食べかけのハンバーガーを頬張るわけです。
「こりゃウマい」なんて驚きの表情をしながら相棒のヴィンセント・ベガ(ジョン・トラボルタ)に「お前も食べるかい?」と勧めますが、ヴィンセントは「いや、結構」と無言で首を振って代わりにハッパを吸う。そしてバーガーでもさもさする喉を潤すために、ジュールスはカップ入りのスプライトをズズズズズズズズズッーと音を鳴らして飲み干す。
と、ここまでカンニングせずに記憶を呼び覚ましてみましたが、結構合ってる自信ありますよ。
つまり何が言いたいかというと、「パルプ・フィクション」はめちゃくちゃ面白いし、ビッグ・カフナ・バーガーはめちゃくちゃ美味しそうだったってことを「Once Upon a Time in America」を劇場で観ていたら思い出したのでした。
その架空のハンバーガーを再現したいというわけじゃありませんが、コストコで買ってきたこのバンズとビーフ100%の冷凍パティもかなり美味いのでおすすめです。
チーズ・クォーター・パウンダー?
ノンノン This is チーズ・ロワイヤル!
そう言えば「パルプ・フィクション」でも父と子の金時計をめぐるエピソードがありましたよね。わたしにとっての金時計は一体なんだろうか?
雨アガル
たっぷりと水浴びして元気になった森の住人たち。
お邪魔したね、また今度。
起きだしてテントの内側から見える世界が好きなんだよなぁ。
もちろん乾燥撤収なんて望むべくもなく。
テントとタープは後部座席の足元に突っ込んで。
期せずして初訪問となった「胡桃島キャンプ場」
アクシデントはあったものの、今回も充実したキャンプとなりました。
そして中川原キャンプ場、すぐリベンジするから待っているように!




