ハロウィンが終わるころ
ぼちぼち冬季休業になるキャンプ場が増えるので選択肢が少なくなるもの。
当初は長野県方面に向かうことも考えたのですが、紅葉の名所「香嵐渓」を抜けるルートは渋滞が予測されるので避けることに。そうして迷いつつ向かったのは滋賀県東近江市の黄和田キャンプ場。

ここ最近は週末の度に雨予報でしたが、今週末はまさしくキャンプ日和の快晴予報。道すがら遠くに見える、赤と緑のグラデーションに胸が高鳴ります。
夜明け前に出発したのでチェックインは8時前。(後々この早い行動が正解だったとつくづく実感することになるのでした)それでもちゃんと受付の方がみえたのは驚き。
ここは地元老人会の方々が管理されているのですが、イン・アウト時間は基本的にフリー。入場すると予想したよりも先客多数、さすがは三連休の初日です。
それでも場内奥の林間エリアになんとか設営スペースを見つけることができました。
早速トラブル発生!
さて、いっちょやってやるかと腕まくりしたものの、痛恨のミスをおかしていることが気が付きます。

ぺ…ペグ忘れとる
今日のテントは非自立式であるバンドックのソロドーム、ですのでこれは参りました。
「忘れ物はスキルアップのチャンス」これはわたしが今言った格言。
場内最深部に分け入り、手頃な木の枝を物色しますがなかなか目ぼしいものが見当たりません。なんとかそれっぽい枝を拾うと、かつてYouTubeで見たブッシュクラフト動画のように即席で木製ペグを完成させました。
あってよかったポケットボーイとモーラナイフ!
幸いグラウンドコンディションが比較的柔らかめだったのだけが救い。
ふう、無事に設営できたご褒美に「飲む福祉」ことストロングゼロを午前中からキメたいと思います。なんだかこんな時間から飲むのは気が引けますが、これはセブンイレブンのクジを引いたらもらえたヤツ。
まったくけしからん景品をくれたもんだ。
で、これをチビチビやりながら読むのはガルシア=マルケスの代表作「百年の孤独」
ストロングゼロを飲みながら「百年の孤独」とは、一体何の冗談だろう。
この本、ずっと昔から何度もアタックしてはいるものの、何故かまったく話が頭に入ってきません。おそらく今日も挫折するんだろうな、、、
どうやらネットフリックスが映像化してくれるようなので、そちらを待つほうがわたしには賢明かも。
やはり朝一から摂取するストロングゼロは超危険。
瞬く間にまぶたが重くなり、意識が朦朧としてきます。
恐るべきキャンプブーム
近くでペグを打つ音で目を覚ますと何やら周囲が騒がしい。
時刻はすっかりお昼を過ぎた午後1時。
どうやら完全にキャンプブームをなめていたようです。
朝晩冷え込むこの時期なら空いているだろうと高を括っていたのですが、まさかまさかの芋洗い状態。やはり冬季休業になるキャンプ場が多いので、このような事態になってしまうのでしょう。
なにが「百年の孤独」か。
いや、これはスイカに塩効果でにぎやかだからこそより一層孤独が浮き彫りになるやべーヤツかもしれない。
もうこうなったらこの状況を楽しむっきゃありません。お隣ファミリーの就学前と思しき姉妹が他愛もない可愛らしい会話をしているのがとっても微笑ましい。
残念ながらうちの娘はもうすっかりキャンプに興味を示しません。基本、家でゴロゴロしているのがお好きなようです。妻はイオンモールをウロウロするのが好きなので、家族の嗜好はてんでバラバラ。ですのでこうして自由にソロキャンプなんぞできるわけで。
まあ色んな家族のあり方があるということでしょうか、、、
わたしにしては珍しく、今日はちょっと料理を仕込んできたんですよね。コストコで購入したバックリブをじっくり煮込んできたのです。それを熾火で炙り、温めていただきましょう。
またハイボールなんか飲んじゃったりして。
いやあ、それにしても写真を撮るのもはばかられるほどの混雑具合。
これは読書とお酒がはかどります。
少し肌寒いけれど、ほとんど無風の過ごしやすい陽気。
テント越しに見える樹々の緑と足元の落ち葉の朱が溶け合い、それが季節の変わり目であることを告げています。すっかり酩酊してしまい、情けないことに今回もマコンド100年の歴史を追うことは困難でした。
いつも心にキアヌ・リーヴスを
夜は安定の名古屋メシ「スガキヤ味噌煮込みうどん」
フードコートのラーメンでお馴染みスガキヤなんですが、このクオリティの高さには毎度驚かされます。「だし」の旨さ、生麺のコシ、味噌のコク。
お好みで「かしわ」を入れたり、もつ鍋風にしてみたり、カレー粉を足してみたりとアレンジの幅も広い。〆にご飯を入れて半熟になった玉子と絡めて雑炊にしても良し。
冷凍や乾麺タイプもありますが、やはり生麺が異次元の旨さを誇っています。
なによりこの季節、体を温めてくれる汁物がありがたい。
翌朝、起き抜けにすることと言えは湯を沸かすこと。
実は昨日が誕生日だったわたし。
これは食べ忘れたなんちゃってバースデイケーキ。
雑なひとりバースデイパーティと言えばみんな大好きキアヌ・リーヴス。
見た目はともかく、男なら誰しも心くらいはあの大きな器の男に近づきたいもの。
あるいは「アベンジャーズ」一作目のエンドロールで流れるあの“チープな打ち上げ”感、ああしたものに憧れるのです。
目玉が飛び出るような甘ったるいケーキをコーヒーで流し込み、今回のキャンプはこれにてお開き。それにしても、こんなにも混雑しているようだとキャンプ場選びもさらに慎重にならざを得ませんね。とほほ、、、



