人気の軍幕
米軍パップテントと人気を二分するポーランドポンチョ。
私もその愛好家のひとりではあるのですが、もう少しだけ広かったらな、という贅沢な望みが長年ありました。一応、ポールの二又化は経験済です。で、ある時閃いたわけですね。ボタンで接続しているだけのアナログ構造だから、ここに長方形の布を繋げたら居住性がアップするのではないのか、と。
それからああでもないこうでもないと試行錯誤し、材料となるサンプル生地を取り寄せては「色合いが違うんだよなあ」「もう少し生地の厚みが欲しいな」なんて日々が過ぎていきました。構想から約半年、素人なりに設計図を作成し、ようやく納得いく材料が一通り揃ったものの、はてどこでこのプロトタイプを製作してもらったらいいのだろうか。そんな壁に突き当たります。
そんな折、あるブログが目に留まりました。そのブログは主にハンドメイドの鞄や服などの自作アイテムを紹介されているのですが、パップテントのファスナー加工も受注されているのでした。しかもどうやらご自身もキャンプ好きであるらしく、ハンドメイド作家さんはこの世に多くいらしゃいますが、アウトドアにも精通されている方は少ないはず。
もうこの方しかいないだろうと藁にもすがる思いでオファーしてみることに。
するとあまり例のない案件らしく(そりゃそうだ)、戸惑っている様子が伺えましたが、結果的には快諾いただけました。
これがオリジナルギアだ!
一見すると単なる細長い妙なタープ。腐敗した一反もめんの亡骸のようでもあります。
ですが細部に目を凝らしてみると、、、様々な仕掛けが施してあることをお分かりいただけるでしょうか。
それでは早速ポーランドポンチョと接続してみましょう。
設営方法は簡単
まず接続したタープ&ポンチョを広げます。
タープの四隅から延びるループを利用して計4ヶ所をペグダウン。
タープのファスナーを開き、ポール二本を差し込んで立ち上げたら、とりあえず完了です。
あとはポンチョ側のペグ打ちをして形を整えましょう。
この際、パリッと張れなくてもそれはそれで小慣れ感があって悪くないのが軍幕の良いところです。
ファスナー加工された出入口は庇にもなるので小雨程度ならこの下で焚き火も可能。張り出しにはループ加工された部分にポールや木の枝を通して固定します。
またこの庇は巻き上げて一般的なテントのように留め具を利用してまとめておくことが出来ますので、開放中のバタつきもありません。ファスナーの長さは130cmあるので出入りしにくい、ということもありません。
この留め具には角ボタンを採用しているので雰囲気も悪くないと思うのですが、どうでしょうか。
タープ内側の天井部分にはランタンフックが付いていますので、LEDランタンやちょっとした小物程度なら吊るすことが出来ます。
ポールをタープ内側のポケットに差し込むことでがっちりと固定されます。
その状態でポーランドポンチョ側のポケットに差し込んでもいいですし、ポンチョポケットの上からタープポケットを被せても構いません。このあたりは見た目の好みでしょうか。私はポンチョ側を上にしてみました。
タープの生地はコットン100%ですが、撥水性と耐久性を併せ持つナノウィングという素材を使っています。ですので大雨には敵いませんが小雨程度なら弾いてくれます。これはポーランドポンチョ単体でも同じなので運用は変わらないかと思います。
最後にアナログ故の活用方法としてこのタープを2つ3つと連結することでさらに細長い、まさしくウナギの寝床のような空間が出来てしまうのです。
命名
なんとなくポーランドタープ(仮)と呼んでいたのですが、もう少し気の利いたネーミングはないものかと考えてみました。
ポーランドという国はこれまでなんども分割されてきた悲しい歴史を持つ国なので、ポンチョを分割するという行為がそのメタファーとも考えられます。
そこを繋ぐ象徴的な存在、、、人物、文化、建造物、街、、、
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やはり戦災を逃れた歴史ある街、ワルシャワに遷都される前の首都クラフクの名が相応しいのではないかと思いました。
戦災を逃れたってところがタープの役割ともマッチしていいかなー、と考えたのです。
ですので、このアイテムの名前は
クラフクタープ
にしたいと思います!
それにしてもこれをどうやって量産したらいいものか、、、
おしまい。