言うまでもなく2020年は新型コロナの影響によって製造ラインや物流システムが混乱あるいは停滞し、どの分野でも販売計画に狂いが生じたであろうことは容易に想像できます。
そうした逆風が吹き荒れる中でも、各メーカーのたゆまぬ努力によってアイデアに満ちた新作ギアの数々が今年も我々を楽しませてくれました。
アイデアという意味では業界随一の自由さを誇るDODですが、2020年最後の大物が新登場しました。それがスパイダーベースと名付けられた大型シェルターです。
出典:DOD
偽悪的にコミカルなワードチョイスをするDODですが、これは久々に会心のネーミングと言っていいのではないでしょうか。
スパイダーとは言い得て妙。
出典:DOD
構造としては同社の「ロクロクベース」や「ソロソウル ウォウウォウ」のインナーポールを外側に配置したようなイメージ。なるほど、これによって内部空間の有効面積が広がり、快適性は格段にアップした印象です。
しかしながら、設営には相当なスペースを必要としますので、サイト選びには慎重さが求められることでしょう。
出典:DOD
加えてオープンタープのように四方を多くのガイロープに囲われていますから、夜間の出入りやシェルター周りでの行動にも注意を払わねばなりません。
つまり先述の「ロクロクベース」や「ソロソウル ウォウウォウ」とはトレードオフの関係にあるわけです。この点をどのように評価するのかが、購入時の決め手となりそう。
出典:DOD
個人的にはこの斬新なアイデアには敬意を表しつつも、税込み93,500円という販売価格がどうしても気になってしまいます。
これだけの予算が捻出できるなら、わたしだったらogawaのツインピルツやサバティカルのスカイパイロット、nemoヘキサライト、鎌倉天幕のHIDE OUTあたりを選択肢とするかも。
出典:DOD
あるいは内部空間の快適性にこだわるなら、従来型のフロアレスシェルター、すなわちコールマンのタフスクリーンタープやスノーピークのリビングシェルといったドーム構造が強度的にも優れているのではないでしょうか。
出典:DOD
などと外野から好き放題言っていますが、DODのこうした攻めの姿勢には喝采を送りたいのです。
いいぞDOD、来年ももっとやれ!



