キャンプ場運営者さん必読!ユーザーフレンドリーなweb設計のヒント

コラム
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ここが変だよ!キャンプ場のwebサイト

当サイトではキャンプ場情報をある特定のテーマに絞って定期的にまとめ記事としているのですが、おのずと多くのキャンプ場webサイトに目を通す機会が増えました。そこで多くの公式webサイトが犯しているある共通の問題点に気付いたので、詳しくご説明したいと思います。

 

この記事は長文かつ参考になる対象が限られますので、ご注意ください。

参考になると思われる読者像はこちら

  • キャンプ場を運営されている方
  • これからキャンプ場を運営される方
  • キャンプ場のwebサイト製作を依頼された技術者の方

 

はじめに

私自身はキャンプ場運営の経験がありません。よって実務的な知見に基づくものではなく、あくまで一利用者としての立場から不便と感じたものであることを強調しておきます。食べ歩きが趣味のラーメン通が自分でラーメンは作らないけど、最新事情には精通している、そんな感じでしょうか。ですので運営側への忖度抜きで述べさせていただきますが、悪しからず。

 

それでは本題。まず結論から先に言ってしまうと

webサイトを訪れた初見のゲストがまず最初に知りたい重要な情報はたったひとつ、それは、、、

希望する日程で利用が可能か?

これだけです。

 

ですから冬季休業していることの多いキャンプ場という施設において通年営業というのはそれだけで十分な差別化がされているのですから、もっとアピールしてもいいと思うのです。逆に言えば冬季休業中のキャンプ場はもっと前面にシーズン営業であることを告知したほうが、ゲストにとって親切ではないのか、と思います。

 

そこからの思考パターンを辿っていくと、

では予算はいくら必要か?

となります。

 

次いで

  • 車の横付けは可能か?
  • チェックイン/アウトの時間設定は?
  • どんな施設・サイトがある?
  • サイトの環境と大きさは?
  • 水回り(特にトイレ)の清潔感は?
  • レンタル可能なアイテムは?

などの設備やサービスの充実具合

 

そこからようやくキャンプ場の売り(川遊び出来る、遊具が充実している、温泉が併設されている)などに興味を持ちます。

 

よくある残念なパターンとしてこの売りを前面に強調するあまり、基本情報が後退あるいは導線として辿り着きにくい設計になっているものが散見されます。ただしこれはPRしようとしているだけ幾分ましな方で運営者が地方自治体となると一気にそのクオリティは下がります。

 

利用時に予約が必要なのは仕方がないとして、その申請方法がwebサイトから申請用紙をダウンロードして印刷し、それをFAX送信するとか、、、

あえて利用者を増やしたくないのだろうな、と邪推してしまうほど。

公営キャンプ場は無料もしくは格安で利用可能な場所が多いので、上手に運用するれば地域の宝になるのになぁと、いつも残念な思いで見ています。

どうやってゲストは情報を得ているか?

まず前提条件として近年はモバイルファーストであることを認識すべきです。

【情報通信端末の世帯保有率の推移】

総務省による2016年のデータですが、この時点で既にスマホを筆頭とするモバイル端末保有率がPC保有率を上回っています

手元に情報端末があるのにわざわざ書斎に行ってPCを立ち上げてキャンプ場を探したりするでしょうか。

 

【インターネット利用機器の状況】

出典 総務省

このデータだとPCが横ばい、スマホが右肩あがりとなっており、利用率は半数となっています。訪問者のデータが集計されるグーグルアナリティクスをwebサイトに埋め込んでいる方ならご存知でしょうが、一般的なwebサイトのデバイス別訪問者比率はスマホがPCを凌駕しています

キャンプ場を選ぶ際に人はスマホの小さな画面で情報を得ている、という現実をまず受け入れるところからはじめましょう。

 

つまり、キャンプ場の管理棟PCで見ている画面と利用者が見ている画面は似て非なるものなのです。一度、ご自身のwebサイトをスマホの小さな画面で見直してみることをおすすめします。きっと「え!こんなに見ずらいのか!?」と驚かれるのではないでしょうか。

 

では見やすいサイトとは具体的にどのようなものでしょうか。ポイントが抑えられているサイトを例に取り上げてみたいと思います。

 

具体例

【青川峡オートキャンピングパーク】

まずPCでサイトを確認してみましょう。

PCとスマホの違い

一見して安っぽさのない清潔感のある印象だと思います。実際のキャンプ場もこのイメージに近い清潔さなのですが、それはともかくある程度の投資をしてサイトを構築していることが伺えます。

 

次にスマホで同じサイトを見てみましょう。きちんとスマホの小さな画面に情報や画像が最適化されていることが分かりますね。

すなわちこのサイト運営者はモバイル端末からの閲覧者をきちんと意識しているという姿勢が見て取れるのです。

 

トップページの設計

トップページにはキャンプ場が伝えたい情報がニュースサイトのように、常に最新のものが上段に現れるように設計されています。これによって例えば料金設定が変わったものの、料金一覧ページの更新が追い付かない場合などにニュース形式で告知することが出来るわけですね。

 

優れた導線とは?

では右上の三本線(メニュー)をタッチしてみましょう。

画面中心に予約ページへの入口が現れました。誰がどう見てもここから予約出来るのだな、と理解出来ます。これが理想的な導線です。その上には予約状況を確認するボタンも設置されていますね。至れり尽くせりとはこのこと。これなら初見のゲストも希望日を確認して「あ、埋まってる。人気のキャンプ場なんだな」と即座に理解出来るのです。

 

このスムーズな導線が設計されていないとゲストは散々サイト内で迷子になった挙句、欲しい情報に辿り着けず「もういいや」と離脱してしまうのです。せっかく素敵なキャンプ場なのにそんなつまらないことでゲストを逃してしまうのは非常にもったいないですよね。

 

情報の交通整理

さて青川峡のサイトに戻ります。さきほどのメニューページの下にスクロールするとゲストが求める大まかな情報が現れました。

私が最初に述べた欲しい情報、「料金はいくらか?」という疑問もここを閲覧すれば解決しそうです。

 

青川峡オートキャンピングパークの料金設定は複雑な部類に属します。

具体的に言うと施設利用料(キャンプ場によっては入場料と呼ばれるもの)が人数分、さらに別途サイト利用料あるいは宿泊棟利用料が必要となります。加えて閑散期や繁忙期、平日、週末によってサイト利用料が変動するのです。※施設利用料は固定。

 

ですので別ページでシーズンカレンダーというものが用意されています。これだけ複雑ではあるのですが、必要な情報が過不足なく表示されているので、比較的理解はしやすいほうだと思います。

 

どことは言いませんが、料金設定の定義が独特な表現をされているサイトも少なくなく、まとめ記事とする際に私なりに翻訳しているのですが、これには毎回骨が折れます。あるいは入場料の設定にしてもざっくとり大人、小人と表記されている場合は一体どこで線引きをするのか不明瞭だったりするのです。

 

ただ一概にこれが悪いとも言えないのはこのルーズさ=融通が利くと認識するキャンプマニアにとっては穴場のサインとなる可能性もあったりしてですね、、、とは言えマイノリティの話なのでやはり出来るところはきちんとした方がいいと思います。

 

いますぐに出来ること

そろそろこんな声が聞こえてきそうです。

こんなにwebサイトへ投資できないよ、と。

もちろんデザインを含む全体的なweb設計は素人では限界があります。ですが、ゲストが欲しがっている情報を適切な導線で提示する、という配慮はなにもお金をかけなくても出来るはずです。

 

川遊びが出来る、釣り堀がある、大型遊具がある、星が綺麗に見える、空気が美味しい、もちろんそれは各キャンプ場のセールスポイントではあるのでしょうが、よほど他との差別化が図られない限り、ゲストが訪れたくなる決定的な動機づけになるとは考えにくいのです。

 

例えば体験型農園キャンプ場として成功しているTHE FARMのような工夫と努力が必要になってくるでしょう。

 

ともかく、このご時世web上に存在しないキャンプ場の情報は現実に存在しないも同然と言っても過言ではなく、そのwebサイトがゲストにとって有益であるかどうかはキャンプ場運営の生命線でもあります。この一点を協調して本日のアジテーションを終えたいと思います。

 

お付き合いありがとうございました。

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プロフィール
SIDE B CAMP
Dr.nero

現役会社員の傍ら、登山とキャンプとサウナを満喫するアウトドアニュース配信者。too machな情報をサクッと軽めの記事に調理してお届けします。

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